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ファンタジーが止まらない・・・・
『知り合いかい? 隅に置けないねぇ』


突然声がして 

これは夢だろうか?と男を見つめながら考えていた彼女は ハッと我に返った




彼女は 男がもう一人 小屋に背中を預けて立っていた事に初めて気がついた


腰には剣をさしている。


湖の男は細身だが こちらは随分体格がいい 武器を佩びてなくても一目で戦士だと分る


湖の男は何事も無かったのように 又小屋に歩きながら答えた


『・・・いや 気のせいのようだ。』  


普通に歩いているのに なぜか音を感じさせない 


男の長い黒髪や腰に巻いた薄い布からポタポタと水が滴っているというのに・・。





湖畔の小屋には辺境の神が祭られてあった 


彼女は すっかり興味を失ってしまった小屋が 祠(ホコラ)だったとやっと気が付いた 


そして 少なからず動揺している自分にも気が付いて


急に恥かしくなり 頬が熱くなった。







『ほらほら  そんな薄着で水浴びなんかするから 目のやり場に困るだろ 』


体格の良い男が揶揄すると


『清める為だ 』   静かに答えて小屋に上がった



やはり音を立てずに神像の前に座り 座禅を組んで合掌すると


男は 静かに読経を始めた。











大柄な男が 壁に寄りかかったまま 昔からの友達にでも話しかける様に言った


『こんな時間に散歩かぃ? お嬢さん 』


『それとも可愛い顔をして 実は男を連れ込んで食っちまう人妖かな?』



最後は冗談っぽく言っているが  


もし彼女が本当に人妖(人間の姿をした妖怪)だったとしても


男はあまり慌てそうにはなかった。



『私 人間です。』


思わず そう答えしまってから 付け足した


『・・・たぶん・・・・』



『ハハッ  自覚が無いんじゃぁ 怪しいな 』

大柄の男は 人好きのする笑顔で答えた


『だが若い娘が 寝巻きでウロツクには ここは危なすぎるし村から離れすぎている』


『まさか さらわれて来たわけじゃないだろう?』


『・・・・・・自分から 出てきたんです・・』


『おぃおぃ 家出かい??? それにしても良くここまで来れたな 』


『 やっぱり・・・人間じゃないのかもしれない・・』


『俺の言葉をまともに受けんでも あんたは十分人間に見えるよ。 少し十分過ぎるがね 』


男がニヤッと笑ったので 自分が凄い格好で見知らぬ男の前に居る事に初めて気が付いた


白い膝丈の寝巻きは汚れているばかりでなく

枝をつたって進んだり 木に登ったり降りたりしていたせいで  

色んな所が引き裂かれボロボロになってしまっている


『キャッ』

思わず変な所から声が出て その場にしゃがんだ


『ここまで人間臭くて人妖だったら 俺はもう誰も信用できなくなるな』


笑いながら 自分の上着を脱いで 彼女に掛けようとした男の動きが 急に止まった。




男の目が 彼女の背中に走る50cmは有りそうな傷に注がれていた。



本来なら致命傷になるくらい大きな傷だ


慌てて上体をそらし 背中を押さえた 


傷はパックリ割れたまま固くなっている



男と視線が合うと 思わずうつむいて説明した



『・・・・・狼のような顔をした 豹にやられたんです』


『・・・コヒョウだな』


『だが いつの話だい? まさかそれから着替えてないって訳でもないだろう?』


男が彼女に ふわりと上着を被せながら聞いた 


『 ・・・・・・・・・・・・・昼ごろです』


『ほぅ・・』


その声から何の感情も読み取れないが 全身で男の強い視線を感じる




ふと視線が途切れ


『 ・・・・・ 悪いが それでも人妖にはみえねぇな 』 と溜め息交じりの声がした


何が悪いのだろう? 余りに淡々とした声に促されて 

もう何年も胸にあって彼女を苦しめてきた言葉を 初めて口に出した。


『私は ・・・寄生虫なのです    この体に巣くって育ってきました』


『・・・ほぅ 』






『私の宿り主は 今朝 死んでしまった。 ・・・この傷は私ではなく宿り主が受けた傷です』



『・・・・それで あんたは何なんだぃ?』  



男は真直ぐに彼女を見ながら聞いた。




『私の連れだ』



いきなり降って来た声に 今まで話ていた2人は思わず同時に祠の入り口を振り返った

いつの間にそこに居たのか そこには あの人間離れした美貌を持つ男が立っていた。




『・・・・・・』


彼女が何も言えないで居ると 

体格の良い男が代わりに答えてくれた


『お連れさんは 初耳のようだが?』



『私も今知ったところだ』



『そうか・・・・ 』      



心臓が飛び出すかと思うほど ドキドキしてきた 



『なら 俺の連れでもあるんだな 』


えっ???? 驚きすぎて 彼女は目を丸くした


体格の良い男は 陽気な声をあげて笑った


『おぃおぃ そんな大きな目でマジマジと見つめられたら 照れるじゃないか』


『俺は 暫くこの男にくっ付いて行く事にしたんだ だから お嬢さんとも仲間って事になるのさ 』




・・・驚いて声も出ない 動悸がどんどん早くなる。  

いきなり旅の仲間が2人も出来た?・・・




彼女は自分の心臓の音がきっと他の2人にも聞こえるのでは無いかと 本気で思った


そして自分の鼓動を聞きながら 

心のどこかで 本当に自分は喜んでいいのだろうか???という気がしていた。





【 2008/11/07 23:19 】

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